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「あなたも3分間でエコノミスト!」Vol.5 平成15(2003)年 3月6日
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◆◇◆◇ 『インフレターゲット政策とは』 ◆◇◆◇
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◆定義:
デフレ脱却のため、金融政策を使いプラスの物価上昇率を達成すること
▽ ▽ ▽
物価が下落していくデフレの状態では、借金をした側からみると、契約
上の金利よりも実際の金利負担が重くなる(つまり、債務者から債権者へ
の所得の移転が起こる)ことや、同じ品物が来年には安く買えることを見
越した『買い渋り』が生じる。これらの現象は景気をさらに悪化させる。
このデフレの状態を脱するために、中央銀行である日本銀行が、既に発
行されている国債を国内の市場から大量に買い付けることなどをしている
が、現在ではその効果が十分でなく、デフレの克服はできていない。
そこで、我が国で新たなデフレ対策として提唱されているのがインフレ
ターゲット政策である。政府当局と日銀がインフレを起こすことを「年間
2%程度の物価上昇率を達成する」といった数値目標を公開してより強く
約束する政策である。海外では、インフレを抑えるという我が国とは逆の
目的でイギリス、カナダ、ニュージーランド等の50以上の国々で導入され
ている。
インフレを起こす具体的な政策として提案されているものには、既発の
国債を市場から大量に買い付けることや、円安を引き起こすことを目的と
した外債の購入などのものから、日銀が新たに発行される国債を直接購入
するといった通常なら大インフレを起こしかねないものや、日銀が株や土
地の購入をするといった「バブルの夢よもう一度」的な怪しげなものにま
でわたっている。
これら手段の倫理的な正しさや国全体の政策との整合性は問わないとし
ても、いったん生じたインフレが果たして年間の物価上昇率2%程度とい
ったマイルドなものに制御できるのか、また株土地購入といったことをし
た場合に政府や日銀への信頼は揺らがないのか等、多くの問題は残る。最
終的には、デフレをこのまま放置して置いた場合の害と、これらの手段の
弊害の大きさを比較することによって決められるだろう。
▽ ▽ ▽
◆一行サマリー
「デフレ脱却は必要だ。しかし具体的な手段の選択は難しい。」
▽ ▽ ▽
○参考リンク
海外からみた日本の金融政策―インフレ目標をめぐって
http://www.japanknowledge.com/inose/0000130000000187.html
読売新聞「インフレ目標 急浮上」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20030118mh05.htm
お┃し┃ら┃せ┃
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前回、今後取り扱ってほしいテーマのアンケートをお願いしましたとこ
ろ、多くの皆様にご回答いただきました。どうもありがとうございました。
また、 Mutsuki Yamaguchi様、スガイコウメイ様にはコメントまで頂戴し
ました。ありがとうございました。
今回は一番人気のインフレターゲット政策についてご説明しました。い
かがでしたか?これから投票順に、「不良債権の最終処理」、「バブル発
生のメカニズム」、「個人向け国債」についてご説明していきます。もち
ろん、ただの用語解説ではなく、背後にある理論的な道筋や政策的な意義
などにも触れていきます。
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