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  『あなたも3分間でエコノミスト!』Vol.8 平成15(2003)年 5月6日

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       ◆◇◆◇ 『個人向け国債とは』 ◆◇◆◇

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  ◆定義:
   変動金利で、実質元本保証、中途換金も可能な個人向け限定の国債

             ▽    ▽    ▽

   既に発行されている従来の国債は、主に銀行など金融機関が購入し、額
  面も5万円単位であり、個人が貯蓄の目的で買い求めるには不向きな商品
  だった。第一回の「個人向け国債」は、平成15(2003)年1月より予約が
  開始され、3月に販売された。額面が一万円、銀行などでは口座管理手数
  料が年間1260円必要だが郵便局では無料。その上、途中換金も可能であり、
  発行後1年以上持っていれば元本割れはしない。
   
   また、満期は10年だが半年ごとの変動金利である点が大きな特色となっ
  ている。利率は、基準金利(10年物国債の表面利回り)から0.8%を差し引
  いた利率が適用されるが、利率の下限は年0.05%に設定しているため金利
  がゼロにはならない特長がある。
   
   国債の国内での個人保有率は平成14(2002)年9月時点で2.6%と、米国
  の15.0%(2002年6月)、英国の7.4%(2001年3月)と比較して低くなっ
  ている。ここに着目して1400兆円の日本の個人金融資産を目当てとした国
  債売り込み策の一環である。将来的には、コンビニなどでも販売すること
  も検討しているという。
   
   このように「政府」当局にとってもメリットがあるが、「国民」にとっ
  ても大きなメリットがある。現在歴史的な低金利である(したがって、固
  定金利の商品よりも変動金利の商品の方が魅力がある)ことや、ペイオフ
  解禁(破綻した銀行などの金融機関からの預金払い戻し保証額を元本1000
  万円とその利息にかぎること。現在は預金は全額保護されているが、平成
  17(2005)年3月末に実施が予定されている。)を考慮に入れると、大変
  に魅力的な商品になっている。
   
   しかしメリットの裏にはどこかにしわ寄せが来る。つまり、「政府」が、
  元本を実質的に保証し、また0.05%以下の金利にならないことも保障して
  いるということは、この個人向け国債の発行に伴うリスクが、「政府」が
  引き受けることを通じて間接的に「国民」全体に広く薄く負担されるとい
  うことを意味する。つまり、個人向け国債を買う買わないに関わらず、我
  々の知らないうちに今までとは違った形での国債発行のリスクを負わされ
  ているということである。
    
             ▽    ▽    ▽
  ◆一行サマリー
  一見いいことずくめだが、説明抜きで「国民」に新たなリスクが・・・

             ▽    ▽    ▽
  ○参考リンク
  http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke.htm
  財務省「個人向け国債のご案内」 

  http://www.mainichi.co.jp/women/hyakka/2002/1028.html
  毎日新聞「個人向け国債 銀行や郵貯より有利?」
  
  お┃し┃ら┃せ┃
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   3月末よりメールマガジンの発行ができませんでした。その間、大勢の
  皆様からメールを頂戴しました。大変ご心配とご迷惑をおかけしました。
  これからは通常のペースで発行してまいります。
   
   今回は、「個人向け国債」に的をしぼってお話しましたが、本誌の兄弟
  メールマガジンの「経済学はビジネスの武器だ」では、このところ国債発
  行の問題について考えています。こちらにご関心がおありでしたら、
  
  『国債は踏み倒せるのか1:財政破綻に陥るケース』
  http://sun.s15.xrea.com/mm/arc/mm011.html
 
  『国債は踏み倒せるのか2:大インフレか大増税か?』 
  http://sun.s15.xrea.com/mm/arc/mm012.html
  をご覧ください。また、その他のバックナンバーはこちらをご覧ください。
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   次回は、本文中にも少し出てきましたが、「ペイオフ解禁」についてご
  説明します。それでは、失礼します。

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最終更新日:平成15(2003)年5月6日