景気関連の経済指標の定義と解説
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はじめに

このページでは、景気動向指数、国内総生産(GDP)、鉱工業生産指数などの政府が作成している景気関連の経済指標の定義と解説を一覧の形でまとめました。

マスコミではよく、政府が経済指標の誤った解釈をしていたり、ひどい場合には指標を勝手にでっち上げているなどの論調が見られます。私の経験からは、重要な統計については、入力すべき系列の数値の代わりに別の系列を入れていたなどの計算ミス(これは、私自身他の課の係長に一度やられました。)や、統計設計時に暫定的に仮置きにしておいた係数を公表数値の算出にもそのまま使ってしまったなどのミスはさておいて、意図的なでっち上げはあり得ないと思います。しかし、誤りとは言えないもののミスリーディングな解釈については諸般の事情からその時々の状況に応じて行われてしまうこともあるように思います。

もっとも、それ以上に頻繁なのが報道するマスコミ側での思いこみによる解釈やコメントです。私の経験でも、明確に記者レク(官庁に常駐する記者クラブの記者さんに対して行うブリーフィングのことです。)をしたのにもかかわらず、勘違いした解釈で記事を書いておられることが何回もありました。

そこでここでは、マスコミや政府の解釈に頼らず、政府公表数値から景気の行方を直接自分の力で予想することを目的として、必要な経済指標のうち主なものに関して政府の公式な定義に基づき説明をしています。現時点では簡単な説明のみですが、改訂して景気指標のくせや限界などの読み方のコツなども紹介していきます。

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1.総合的景気指標


国民経済計算<内閣府>

国民経済計算は、マクロの経済状況を把握するため、フロー、ストックの両面から経済取引を記録したもので、経済全体の生産・分配・支出の関係を示す「国民所得統計」、財貨・サービスの投入・産出構造を示した「産業連関表」、制度部門間の資金の流れを把握し、金融活動を記録した「資金循環表」、海外との取引を記録した「国際収支表」、国の資産、負債を示す「国民貸借対照表」の5勘定を体系的、整合的に統合したものである。わが国の国民経済計算はこれまで「新国民経済計算の体系(通称68SNA)」に基づいていたが、平成12年(1993年)に国際連合で採択された「1993年国民経済計算体系(93SNA)」へ移行した。
現行の国民経済計算は平成7年基準である。実質値は価格の騰落率による増減を除去したもので、基準年の価格で表示している。季節調整値は年率換算している。


国内総生産(GDP)、国内総支出(GDE)<内閣府>

国内総支出は、国内の生産活動によって生み出された財貨・サービス(付加価値)が、輸出入を含めて、どのように消費、投資されたかを、最終需要面からとらえたものである。
1. 国内概念と国民概念:国内という概念は、その国内領土に居住する経済主体を対象とするという概念であり、主として生産活動に関連した概念である。例えば外国企業の在日子会社は、我が国の国内領土において生産活動を行っているので、我が国の居住者たる生産者として国内に含まれ、逆に我が国企業の海外支店は含まれない。国内総生産は居住者たる生産者、すなわち国内に所在する企業、一般政府および対家計民間非営利団体による生産活動の結果生み出された付加価値の総計である。一方、国民という概念は、その国の居住者主体を対象とする概念であり、国内に所在する企業、一般政府、対家計民間非営利団体および当該国の居住者たる個人をさす。国民総生産は当該国の居住者主体によって受け取られた所得の総額を示すもので、国内総生産に海外からの要素所得(雇用者所得、投資収益などの財産所得・企業所得)の純受取を加えたものである。
2. 対家計民間非営利団体:ある特定の目的を遂行するために集まった個人の自発的な団体であり、その活動は通常会員の会費や家計、企業、政府からの寄付、補助金によってまかなわれる。労働組合、政党、宗教団体等のほかに、特定の病院、および私立学校のすべてがこれに含まれる。


国民所得および国民可処分所得の分配<内閣府>

居住者が一定期間にたずさわった生産活動によって発生した純付加価値を表示したものである。


経済活動別国内総生産<内閣府>

国内総生産は、国内の生産活動による財貨・サービスの算出から原材料などの中間投入を控除した付加価値である。
1. 帰属利子:金融業の受け取り利子および配当と支払い利子の差額をさす。利子は主として他産業の付加価値から支払われたものであるから、それを再び生産としてとりあげることは一旦は生産額が二重計算になるが、これを除去するために、金融業の付加価値および営業余剰の計算上は帰属利子の額を控除することとしている。


景気動向指数<内閣府>

景気動向指数は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感な指標の動きを統合することによって、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された総合的な景気指標である。景気動向指数には、DIとCIの2つの指標があり、それぞれに先行指数、一致指数、遅行指数の3本の指数が存在する。
簡便な使用方法としては、一致指数が、3か月以上連続して50%を上回っているときは景気が拡大局面に入った解釈し、逆のケースは後退局面入ったと解釈することがある。
1. DI(Diffusion Indexes):景気に敏感な諸指標を選定し、そのうち上昇(拡張)を示している指標の割合を示すものであり、景気局面の判断、予測と景気転換点(景気の山・谷)の判定に用いる。
2. CI(Composite Indexes):採用系列の変化率を合成するもので、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とする。
3. 先行指数:景気に対し先行して動く指数であることから、景気の動きを予知することを目的とし、現在12指標を用いて作成している。
指数が50%を上回る場合、今後半年程度くらいまでの期間、景気が拡大傾向にある(=景気がよくなる方向にある)可能性が強いことを示している。
4. 一致指数:景気とほぼ一致して動く指数で、現在11指標を用いて作成している。
指数が50%を上回る場合、現在の景気(よく官庁エコノミストは「足もとの景気」と呼ぶ。)が拡大傾向にあることを示している。
5. 遅行指数:景気に対し遅れて動く指数であることから、景気の転換点や局面の確認に利用することを目的とし、現在7指標を用いて作成している。
指数が50%を上回る場合、過去1年から半年の間の景気が拡大傾向にあったことを示している。




2.消費関連経済指標


家計調査<総務省>

家計調査は、国民生活における家計収支の実態を把握するため、毎月実施されている。
調査対象は2人以上の非農林漁家世帯で、全国で約8,000世帯について毎月の家計簿を記入する方法により行われている。したがって、この調査で「全世帯」とは農林漁家世帯及び単身者世帯を除いた世帯のことであり、「勤労者世帯」とは全世帯のうち世帯主が雇用者(役員を除く)の世帯のことである。
1. 可処分所得:実収入から非消費支出(原則として税金や社会保険料など世帯の自由にならない支出)を差し引いた額で、いわゆる手取り収入。
2. 平均消費性向:可処分所得に対する消費支出の割合。


消費動向調査<内閣府>

消費動向調査は消費者の意識の変化、主要耐久消費財等の保有及び購入状況等を迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とするため、外国人世帯を除く2人以上の一般世帯を対象に、四半期調査として、約5,000世帯について実施されている。
(1) 消費者態度指数の作成方法
1) まず、「暮らし向き」「収入の増え方」「物価の上がり方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の5項目について消費者の意識を調査する。その際、各調査項目が今後半年間に今よりもどのように変化すると考えているか、5段階評価で回答を求める。
2) 次に、各調査項目ごとに消費に及ぼす効果に応じて、5段階評価にそれぞれ点数を与え、この点で回答結果(構成比、%)を加重平均して、各調査項目ごとの消費者意識指標を算出する。
3) 最後に、これら5項目の消費者意識指標を単純平均して消費者態度指数を算出する。
(2) サービス等の支出予定
各項目の金銭支出について、今後3ヶ月間に現在よりも増やすか減らすかまたは支出予定がないかについて6区分で回答を求め、「今より増やす予定と回答した世帯割合」から「今より減らす予定と回答した世帯割合」を控除して、サービス支出DIを算出する。
(3) 耐久消費財普及率(全世帯)
主要な耐久消費財等45品目を選定し、各年度末(3月末)現在における普及状況を示している。

商業販売統計<経済産業省>

商業販売統計は、商業活動の動きを明らかにするため毎月実施されている。調査は全国の卸売業(代理商、仲立業を除く)及び小売業(飲食店を除く)を対象とし、従業者50人以上の百貨店及びセルフ店の大型小売店は全数調査、その他は標本調査により、合わせて約17,000商店について実施している。

チェーンストア売上高<日本チェーンストア協会>

日本チェーンストア協会会員企業の総販売額。金額には消費税額を含まない。


新車新規登録台数<日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会>

日本自動車工業会の「自動車統計月報」による。元になる数値は上記2団体がそれぞれ公表したものである。 (1) 「乗用車」および「バス・トラック」は新車登録台数(日本自動車販売協会連合会調)と軽自動車販売台数(全国軽自動車協会連合会調)の合計。シャシーベース。軽自動車には「その他(農耕車、トレーラー等)」を含まず。



3.雇用・賃金関連経済指標


労働力調査<総務省>

労働力調査は、国民の就業及び不就業の状態を明らかにすることを目的とし、全国約4万世帯の世帯員を対象に毎月末日現在で調査されている。就業・不就業状態は、15歳以上の者約10万人について、毎月末日までの1週間の事実に基づいて調査されている。
1. 完全失業者:仕事がなくて調査期間中に少しも仕事をしなかった(就業者でない)者のうち、就業が可能でこれを希望しかつ仕事を探していた者及び過去の求職活動の結果を待っていた者。
2. 完全失業率:労働力人口に占める完全失業者の割合。


毎月勤労統計調査<厚生労働省>

毎月勤労統計調査は、雇用、給与及び労働時間についてその全国的な変動を明らかにするため毎月実施されている。調査対象は常用労働者を常時5人以上雇用する事業所で、その中から抽出した約33,000事業所について調査している(全国調査。このほかに4人以下の事業所を対象とした特別調査があるが、指数については全国調査のみ)。
1. 総実労働時間数:所定内労働時間数(事業所の就業規則で定められた正規の始業時刻と終業時刻との間の実労働時間数)と所定外労働時間数(早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等の実労働時間数)との合計。
2. 労働異動率(入・離職率):月間の増加労働者数又は減少労働者数を月初(前月末)の労働者数で除したもの。同一企業内の事業所間の異動も含まれる。


一般職業紹介状況<厚生労働省>

一般職業紹介状況は、全国の公共職業安定所とその出張所で取り扱う職業紹介、求職、求人および就職の件数を取りまとめたものである。
1. 有効求人倍率:求人倍率は、一人の求職者に対してどれだけの求人があるかを示す指標である。一度申し込むと、有効期間の間は求職(求人)活動を行っているとみなされることから、全求職(求人)者に関するものには「有効」という言葉が使われる。

有効求人倍率=有効求人数/有効求職者数(倍)



4.建設関連経済指標


建築着工統計調査<国土交通省>

全国の建築物の動態を明らかにし、建築および住宅に関する基礎資料を得ることを目的として、全国における建築物、住宅の着工状況を調査している。
建築主は建築物を建築しようとする場合、都道府県知事に届け出なければならない。建築着工統計はこの届出を元に作成されている。対象は、新たに建築される全国の建築物である。
1. 持家:建築主が自分で居住する目的で建築するもの。
2. 貸家:建築主が賃貸する目的で建築するもの。
3. 給与住宅:会社、官公署、学校等がその社員、職員、教員等を居住させる目的で建築するもの。
4. 分譲住宅:建て売り又は分譲の目的で建築するもの。


建設工事受注動態統計調査(大手50社)<国土交通省>

建設業者の毎月の建設工事受注高をとらえ、企業の投資活動と景気の動向を明らかにするとともに、建設業の生産活動、経営管理等に関する基礎資料を提供することを目的としている。
本調査はこれまでの「公共工事着工統計調査」、「民間土木工事着工調査」、「建設工事受注調査」の3統計を再編・統合し、建設工事の動向を受注面から総合的に把握するために平成12年4月分から調査された。
建設工事受注動態統計調査(大手50社)は建設業法の許可業者の大手50社を対象に、毎月の建設工事受注額を調査したものであり、平成12年4月からこれまでの建設工事受注調査(A調査)が名称変更されたものである。なお、建設工事受注調査(B調査)は平成12年度限りで廃止した。

建設工事受注動態統計調査(公共機関からの受注工事)<国土交通省>

建設工事受注動態統計調査(公共機関からの受注工事)は工事金額が500万円以上の公共機関からの受注工事を対象としている。

公共工事着工統計調査<国土交通省>

公共工事着工統計調査は、公共工事の動向を実態把握することにより、公共工事執行上の施策、経済政策等に資することを目的として、標本抽出した約1万2千業者を対象に調査している。下記1)のような変遷があるが、現行調査は公共機関発注工事の元請完成工事高が年間3千万以上の建設業者による総工事評価額100万円以上の公共工事についての調査である。
1. 総工事費評価額=請負契約額+無償支給材料評価額(発注機関が施工者に対し工事用の建設資材を無償で支給した場合、その建設資材を金額に換算した額)



5. 設備投資関連経済指標


法人企業統計季報<財務省>

法人企業統計季報は、わが国における法人の企業活動の実態を明らかにするため、四半期調査として実施されている。調査対象は、金融・保険業を除く資本金1,000万円以上の営利法人で、層別無作為抽出法(資本金10億円以上の階層は全数抽出)により選定した標本法人(約24,000社)について調査している。

法人企業動向調査<内閣府>

法人企業動向調査は法人企業の投資動向や企業経営者の景気と経営に対する判断と見通し等を明らかにするため、四半期調査として実施されている。調査対象は、資本金1億円以上の全営利法人から選定した約4,500社。なお、公表数値は、母集団推計値である。

機械受注統計調査<内閣府>

機械受注統計調査は、機械等製造業者の受注した設備用機械類の受注状況を調査している。調査の対象は主要機械等製造業者280社である。
1. 除船舶・電力:船舶、電力の受注は景気局面との対応性が薄く、不規則かつ多額であり、懐妊期間も長いものが多いため、2ないし3期先の自律的な設備投資の動向をうかがうのに不適当と考えられる。そのため、需要者別受注額において「船舶・電力を除く民需」等これらを除く項目を特に設けてある。なお、ここでいう「船舶」とは機種としてのものであり、「電力」とは需要者としてのそれである。



6. 鉱工業生産関連経済指標


生産・出荷・在庫統計(鉱工業指数)<経済産業省>

指数値は基準年次(現行は平成7年)の平均を100.0とした比率で示されている。また、ウェイトも基準年次の産業構造によって作成されている。算式は基準年次時の固定ウェイトで加重平均するラスパイレス算式である。
(1)季節調整方法
・平成7年基準指数  センサス局法 X-12-ARIMA
・平成2年及び昭和60年基準指数  MITI法VR
・昭和55年基準指数  MITI法V


電灯・電力需要実績<電気事業連合会>

北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の9社における大口電力使用量計。大口電力とは業務用電力のうち「大口電力」で契約しているもの。

第3次産業活動指数<経済産業省>

第3次産業活動指数は、第3次産業に属する業種の生産活動の「活況度」を総合的に捉えることを目的とした指数である。すなわち、個別業種のサービス生産活動(活況度)を示す時系列を、各業種の相対的重要度を表す尺度(付加価値ウェイト)により総合したものである。
指数値は基準年次(現行は平成7年)の平均を100.0とした比率で示されている。ウェイトの算式は基準年次時の固定ウェイトで加重平均するラスパイレス算式である。個別業種のウェイトの算出基準は基準年次の付加価値額による。
(1)季節調整方法
・平成7年基準指数  センサス局法 X-12-ARIMA
・平成2年基準指数  MITI法VR



7. 企業関連経済指標


法人企業統計季報<財務省>

法人企業統計季報は、わが国における法人の企業活動の実態を明らかにするため、四半期調査として実施されている。調査対象は、金融・保険業を除く資本金1,000万円以上の営利法人で、層別無作為抽出法(資本金10億円以上の階層は全数抽出)により選定した標本法人(約24,000社)について調査している。

法人企業動向調査<内閣府>

法人企業動向調査は法人企業の投資動向や企業経営者の景気と経営に対する判断と見通し等を明らかにするため、四半期調査として実施されている。調査対象は、資本金1億円以上の全営利法人から選定した約4,500社。なお、BSI(Business Survey Index)とは、回答された企業のうち「上昇(強くなる・増加・過大)の割合−下降(弱くなる・減少・不足)の割合」を示す判断指標である。



8. 貿易・国際収支関連経済指標


貿易統計<財務省>

貿易統計は、輸出及び輸入される貨物が税関を通関する際、輸出入者から提出される輸出申告書、輸入申告書等に基づいて作成される。
(1) 計上の時点は、輸出は積載船舶又は航空機の出港の日の属する月、輸入は輸入許可又は承認の日の属する月。
(2) 価額は、輸出は本船渡し価格(F.O.B価格)、輸入は運賃・保険料込み価格(C.I.F価格)による。
(3) 貿易指数
1) 貿易価格指数 貿易統計のデータをもとに、フィッシャー方式により算出。
2) 貿易数量指数 金額指数(基準時総額を100とする単純指数)を上記価格指数で除して求める。


国際収支統計<財務省、日本銀行>

国際収支統計は、一定期間における一国のあらゆる対外経済取引を体系的に記録した統計で、日本銀行が財務大臣の委任を受け、国際通貨基金(IMF)が定めた方式により計上している。対外経済取引は居住者と非居住者との間の(a)財貨・サービス・所得の取引、(b)対外資産・負債の増減に関する取引、(c)移転取引に分類される。
1. 貿易収支:居住者・非居住者間で財貨の所有権が移転した取引をF.O.B価格(本船引渡し価格)で計上する。
2. サービス収支:輸送、旅行、その他サービスの授受を計上する。
3. 所得収支:居住者・非居住者間の雇用者報酬、投資所得の受取・支払を計上する。
4. 経常移転収支:移転収支とは実物資産(財貨・サービス)あるいは金融資産などの無償取引を国際収支表に複式簿記形式で記録するための見合い計上項目である。経常移転は、資本移転以外のすべての移転を計上し、個人又は政府間の税・サービス及び現金の贈与、国際機関への拠出金等を計上する。
5. 資本収支:有価証券の売買、資本の貸借、その他債権債務に関係のある取引を計上する。
6. 外貨準備高:国が輸入代金の決済や借金の返済などの対外支払いに充てるための準備として保有している外貨資産。



9.物価関連経済指標


消費者物価指数<総務省>

消費者物価指数は、全国の消費者世帯が購入する各種の商品とサービスの価格を総合した物価の変動を時系列的に測定するものである。指数計算に採用している品目の価格は、総務省実施の「小売物価統計調査」によって得られた小売価格である。指数の算式は、基準年次の固定ウェイトで加重平均するラスパイレス方式である。
1. 持家の帰属家賃:住宅や土地の購入は消費支出とはみなさないが、持家に住んでいる世帯は住宅からのサービスを現実に受けている。そこで持家世帯が家賃相当額のサービスを購入しているとみなして対象に含めている。また、これを除く指数も作成されている。


卸売物価指数<日本銀行>

卸売物価指数は、企業間で取引される財の価格の変動を捉えたものである。国内市場向けの国内品の卸売価格に関する国内卸売物価指数、輸出品、輸入品を対象とした輸出物価指数、輸入物価指数、これらを総合した包括指数として作成される総合卸売物価指数がある。
算式は基準年次の固定ウェイトで加重平均するラスパイレス方式である。国内卸売物価指数のウェイトは基準年の国内品の取引額、輸出及び輸入物価指数のウェイトは基準年の貿易統計輸出入額である。

日経商品指数<日本経済新聞社>

鉄鋼や非鉄金属製品、石油製品など、景気動向を敏感に映す主要商品で構成される、昭和45年を100とした商品価格指数。17品目と42品目の2種類があり、掲載系列は42品目である。算式は無加重幾何平均。



10.金融・財政関連経済指標


マネーサプライ<日本銀行>

通貨供給量。現金通貨だけでなく、預金通貨(要求払預金)、準通貨(定期性預金)及びCD(譲渡性預金)をも含めた国内流動性総額を把握するために作成されている統計である。

1. M2+CD:M2+CD=M1+準通貨+CD、M1=現金通貨+預金通貨


公定歩合<日本銀行>

日本銀行が民間金融機関に対して貸出を行う際に適用する基準金利。


コールレート

金融機関相互の短期の資金貸借であるコール(短資)の金利。
コールとは金融機関や証券会社相互の短期の貸し付け、借り入れをさす。いつでも銀行が回収できる短期の貸し付けであるから、銀行としては一時的に遊んでいる資金を運用するには最適の方法である。コール取引には有担保と無担保があり、翌日物から2〜6日物、1週間物、1か月物などがある。


国内銀行貸出約定平均金利

約定金利は、銀行が企業に対して貸出をする時に約束する金利。


東証株価指数と日経平均株価<東京証券取引所、日本経済新聞社>

1. 東証株価指数:TOPIXとも呼ばれる。東京市場第一部上場の全銘柄を対象とし、それらの株価に上場株式数を乗じて得られる時価総額を指数化したもので、基準値(=100)は昭和43年1月4日の時価総額である。
2. 日経平均株価:東京証券取引所第一部上場225銘柄の平均株価。新株落ちなどによって生ずる断層を修正して連続性をもたせている。


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