ミクロ経済学ノート
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ミクロ経済学について、まずあらすじを頭に入れるための大まかな見取り図としてご利用ください。

定義:品物の値段の上がり下がりがなぜ起こるのか、また、逆に、値段の上下が売り手(生産者・企業)、買い手(消費者・個人)にどういう影響を持つのか分析する学問。アダムスミス以来の問題意識を受け継ぐ経済学なので、しばしば新古典派経済学とも呼ばれる。

注目点:規制緩和などの政府と民間の関係について理論的に取り扱う経済学である。その他にもマーケティングに必要な需要の価格弾力性などの概念やさらに進んでゲームの理論などの習得に必要である。

 市場メカニズム

  1. 品物の値段は、需要(売り手側)と供給(買い手側)がそれぞれどのくらいの値段ならどのくらいの数の品物を売り買いしたいかによって決まる。これを「市場メカニズム」、「価格メカニズム」、「価格機構」、「マーケットメカニズム」などと呼ぶ。これが近代経済学の最も大事な考え方である。
  2. 需要と供給の不一致は、例えば、供給(販売)される数量が需要される数量より多い場合には、買い手市場となり、その品物の値段が下がり、その結果、やむなく売り手が以前の価格よりも安く売ることで調整され、最終的には全ての品物が売れるものとされる。(売れ残っては困るお総菜などの食品などをイメージしてください。)これを伸縮的価格による価格調整と呼び、その場合に市場が「均衡」(バランスの取れた状態)に達したという。
  3. 価格の上昇や下降は速やかに生じると仮定され、市場メカニズムは常に均衡状態にあると考える。このような場合、品物は、売れ残りなく全ての数量が売り買いされ、その値段で入手したい買い手は全て品物を手に入れることができ、売り手買い手双方とも、取引前の状態よりもより満足度は大きくなる。この満足度の増えた分をそれぞれ消費者余剰生産者余剰とよぶ。
  4. このメカニズムの長所としては、売り手と買い手双方が、自己の利益を追求することによって、経済が均衡に達し、社会全体によい影響が生まれること、また、仲買人のような存在や、政府による生産計画などが必要がないといった点がある。これらの長所から市場メカニズムは、しばしばアダムスミスの表現を用いて「神の見えざる手」に導かれると表現される。(この点で、マルクス主義の理想的なケースより大きく優れている。)
  5. ただし、取引の際に、品物の品質を完全に知ることができないなどの不完全情報(極端なケースが悪質商法や詐欺である。)の状態や、ある者の行為が他の者に対してプラスまたはマイナスの効果を持つ外部経済(公害などがマイナスの効果を持つ外部不経済の例)などがあればこのメカニズムはうまく働かない。
  6. その品物の市場のシェアが、一つまたは少数の企業で占められ、売り手側が、その価格や販売数量をコントロールできる独占や寡占の状態や、企業間でカルテルが結ばれた場合にも市場メカニズムは十分に働かない。

 インフレとデフレ

  1. 将来、品物の値段が下がると考えられる(デフレ)場合、同じ品物を今買わずに値段が下がってから買った方が得だと消費者は考え、買うことを先延ばしにする。インフレの場合には逆に、値上がり前の今買っておこうとする。
  2. ところが、景気が悪いときにデフレになることがほとんどなので、皆が将来の値下がりを予想して買い控えると、ますます景気は悪くなってしまう。この悪循環をデフレスパイラルと呼ぶ。

 消費・生産の理論

  1. 家計も企業も、市場全体と比較した場合のシェアが極めて小さく、価格を左右したりすることができないという完全競争の仮定が置かれる。
  2. 消費は、家計(個人)が全ての品物の一円あたりの限界効用が等しくなるように買い物(消費)を行う。
  3. 生産は、企業が、生産物の限界費用が、販売される価格に等しくなるように生産・販売を行う。その場合、利潤の最大化が行われる。
  4. 家計から企業に対しては、労働が売られる。この場合にも、家計は、お金で測った労働の限界不効用とそれによって得られる賃金が等しくなるように労働供給が行われる。

 政府の役割とは

  1. ミクロ経済学との関連では、政府の役割は、市場メカニズムが円滑に働くように法律をはじめとした制度を整えること、外交、防衛、教育などの外部性のある機能を提供すること、民間企業や個人ではできない長期的な視野に立った社会政策を行う。
  2. また、市場メカニズムは、「効率的」な生産や所得の配分を行うものだが、特に、国民の間での所得の配分が「公正」であることを保証しない。そのため、税金や補助金などで「公正」な所得の配分が行われるようにする。具体的には、累進課税などを使って豊かな人から貧しい人へ所得の再配分を行うこなどが挙げられる。
  3. 従来必要であった経済的な規制についても、環境や技術の変化により、政府の規制や事業が民間企業の活動の邪魔になっている場合には規制緩和を行う必要がある。

 貨幣の役割とは

    品物の価格や販売数量、合計金額などは市場メカニズムで自動的に決定されるので、名目的な物価の水準を決めるだけの存在である。これを貨幣数量説と呼ぶ。



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Last Updated 24 December 2002