「現代日本経済論」景気を読む1
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「現代日本経済論」レジュメ(第4回講義使用)
12.5.13
第2章「景気を読む」
週刊ダイヤモンド98.4.25「だれでも理解できる究極の佐和ゼミナール」P.26-29
 バランスの取れた記述で熟読の必要がある。週刊ダイヤモンドはビジネスマン向けの経済雑誌であり、この記事は、この雑誌の中では比較的簡単な内容。昨年春の記事だが依然として読む価値がある内容である。
 京都大学教授佐和隆光氏:実際の経済の動きにも強く、学者としての名声も高い。経済審議会等多くの政府審議会委員を歴任。

(1)なぜ平成大不況が起こったか。
・ 平成景気
当初は通常の景気の拡大期であったが、低金利により、通貨が銀行預金を嫌って株式、土地に流れ込み、その結果資産価格の高騰を招いた。その結果、予想が予想を呼ぶバブルの発生を招いた。その過程で実力以上の投資、消費が行われた。特に金融機関には不良債権問題を残した。この問題は依然として解決されていない。

・自動車→耐久消費財として高価であり、また、産業全体に占めるシェアも大きいため、消費の動きを示す指標として重視される。

・平成不況の深刻化の原因は、通常の「在庫循環」(文中では「景気循環」と呼ばれている。)が、下降局面にあることに加えて、「不良資産の調整」が加わったからであるとされる。このことは今回の不況の特色である。論者によっては金融不況とか複合不況と呼ぶものもいる。

バブル:「経済の基本的条件から説明できる以上に株価、地価が上がること。」という定義だけでは不十分。単なる投機のことだけをさすのではない。未だに日本の地価は米国の地価と比較して非常に高いが、この定義では、このこともバブルとなってしまう。現在は日本の土地にはバブル的要素は既にないとされている。
「(人々はその品物自体には特に関心がないが)値段が上がりそうだと言われているのでその品物を買い求める。すると、実際に値段が上がる。それを見て、人々は自分の予想が当たったとして更に自分の予想に自信を深め、更に買い求める。すると値段が上がる。…」という、予想が予想を呼ぶサイクルを経済学的にはバブルとよぶ。
在庫循環:p.26参照
不良資産:金融機関から見て名目上は資産であるが、実際には回収が著しく困難な貸出金をいう。普通の状況でも生じるが、今回は、資産デフレ(=地価、株価などの資産価格が下落すること。)のため担保に取った土地などが急激に減価したことにより、全金融機関にとって大問題となった。不良債権とほぼ同義。
公定歩合:中央銀行が、一般の金融機関に対して貸し出しを行う場合に適用される金利。その国の基準金利としての性格を持つ。この金利が高くなる(金融引締め)と金融機関は民間に対して貸し出しをし難くなる。これを操作することは景気調節の重要な手段である。(金融自由化以降、その重要性は低下してきているが、依然として、日銀の金融政策の姿勢を象徴するものとして重要である。)

(2)資産デフレから金融危機へ
(3)規制緩和と金融ビッグバン
BIS規制:国際業務を行う銀行は、貸出しなどを含む「総資産」に占める「自己資本」の比率が8%以上なければならないという規制。自己資本比率が低ければ貸出金が回収できなくなったときに倒産する恐れがあることから作られた。本来は、銀行の経営の健全化を目指した規制。
貸し渋り:BIS規制を達成するという名目の下に、貸出しを厳しく抑制するという金融機関の行動。結果的に、利潤が上がっている企業までも倒産に追い込まれる黒字倒産の原因となりうる。実際には、銀行が融資先を選別することを通じて体質強化を目的としていると批判されている。
ビッグバン:金融業は21世紀にむけての成長産業であり、うまく育成すれば、雇用や高い収益を生む事が予想されるため、これを育成することが国として有利である。そのため不要な規制を外し、わが国の金融自由化を一気に進めようとする政策。第一弾として98年4月に外国為替の自由化が行われている。(が、現時点では不良債権の問題など遥かに重要な問題が生じている。)
護送船団方式:銀行など金融業が大蔵省によって厳しく規制されていた様子をたとえていう。一隻(一行)でも落伍しないように、一番体力のない銀行でも生き残れるように、低競争力の銀行に合わせた規制を行うこと。結果的にわが国金融業の競争力の向上を妨げた。

(4)日本経済への処方箋
ここのみ少々異論あり。米国の経済成長は同時に米国社会に大きな歪みをもたらしたと考えている。
インフォメーションテクノロジーに基づく成長産業のみが成長している。著しく高い消費性向(借金をして収入以上に消費する)、株価の高騰(インターネット関連株など既に下落しつつあるものもある)など不安定な要因が多い。
米国民の中での貧富の差については、ここ数年は統計上縮小しているものの今後も縮小しつづけるかどうかについては不明。

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Last Updated 24 December 2002