「現代日本経済論」変わる産業構造
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「現代日本経済論」レジュメ(第16回講義使用)
12.12.2

教科書第9章「変わる産業構造」
「日本経済TODAY」は時事的内容に傾きすぎているので割愛する。

工業化の歴史P.405
 開国時には、工業化という観点では、当時の世界の最先端を走っていた英国から50年程度は遅れていた。しかし、庶民を含め教育程度が非常に高かったこと、自国が遅れていることを認識できる知識人が大勢いたことなどの条件に恵まれていたため、追いつきは困難ではあったが不可能ではなかった。他のアジア諸国にはこれらの好条件は欠けていた。

開国: 1860年から67年にかけて、輸出は2倍半の伸びの一方で、輸入は13倍。
⇒大幅な貿易赤字
⇒明治初期も、生産財(機械類)、消費財(繊維製品)を輸入して、一次産品(茶、生糸)を輸出。しかし、これは国土も狭く資源も乏しい日本には長続きせず。資源を輸入して製品に加工し、輸出する加工貿易をする必要がある。⇒工業化が必要。

明治初期: 欧米の産業革命に大きく遅れて出発。
軽工業時代: 繊維産業が発展
重工業化: 日清、日露戦争を経て発展

敗戦: 国富の1/4(一人当たりでは30%)が失われ、一人あたりのGDPは戦前の55%に低下したと推定されている。
⇒ということは、逆に、原材料さえ入手できれば戦前のGDPの55%の状態から、3/4になることは容易(=急速な戦後復興)であるとも考えられる。P.411

昭和20年代: 朝鮮戦争による特需景気で立ち直る
昭和30年代: 戦争からの復興の終了、技術革新による成長へ
「もはや戦後ではない。」31年度経済白書
重化学工業による成長。繊維産業は衰退。
昭和40年代: 国際競争力が向上⇒輸出が増えたので、輸入急増が原因の国際収支天井なくなる
石油ショック: 1973年
低成長、省エネルギー型になる
アルミ、石油化学等の素材産業は衰退。
円高: 1985年
$1=240円から120円へ
海外生産の拡大、製品輸入の拡大等

今後の展開はどうなるのか?
⇒よく分からない、というのが正直なところ。

堺屋太一(現:経済企画庁長官):「物の生産よりも人間の知識や知恵が価値を持った産業の出現によって、これまでの工業化社会とは全く違った枠組みを持つ社会が生まれてきつつある。」⇒知価社会


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Last Updated 24 December 2002